症例Report
『骨肉腫 後肢断脚術』
:2016. 10. 13
:平塚
症例
後肢断脚術 <日本猫 年齢不詳 メス>
稟告
右後肢の跛行及び腫れ。
レントゲン検査所見
右足根部付近にて腫脹と骨の破壊像が認められました。
[レントゲン画像]
右足根部付近が腫脹しており、一部骨が不整になっています
細胞診検査所見
悪性間葉系腫瘍の疑い。
治療
レントゲン像や細胞診の検査から骨肉腫の可能性が高いと判断し、断脚術(大腿骨から切断)を実施しました。
[術中写真1]
切皮後、切断する筋肉を分離
[術中写真2]
大腿動静脈を結紮
[術中写真3]
座骨神経の切断前に浸潤麻酔を実施
[術中写真4]
大腿骨切断前
骨肉腫とは
この症例は、切断した後肢の病理検査の結果、骨肉腫と診断されました。骨肉腫は猫において最も一般的な骨原発の腫瘍です。痛みを生じることも多く、脚に出来た骨肉腫に対しては断脚術が適応となります。断脚後は比較的元気に過ごすことが出来ますが、犬ほどでないものの転移の可能性もある腫瘍であるため、抗癌剤などが必要になる場合があります。
その後
断脚後の不自由さにも慣れ、元気に過ごしています。現在の所転移や再発は確認されておりませんが、十分な注意が必要です。