症例Report
『乳腺腫瘍』
:2015. 4. 21
:塩見
症例
乳腺腫瘍 <ミニチュアダックスフンド 13歳 避妊メス>
稟告
左側の乳腺に以前からしこりがあったが、一か月前から急に大きくなってきた。
乳腺腫瘍とは
犬の乳腺腫瘍は雌犬では最も発生しやすい腫瘍であり、乳頭の周囲に硬いしこりとして触れることができます。乳腺腫瘍のうち悪性と良性は約50%ずつです。悪性の場合、そのうちの更に50%がリンパ節や肺などの他の臓器に転移しやすいといわれています。乳腺腫瘍の発生には性ホルモンが関連していると考えられており、早期に避妊手術を行うことによって乳腺腫瘍が発生する確率を下げることができます。乳腺腫瘍は細胞診による検査で良性・悪性を判断する事が難しく、経過が良好であっても将来的に悪性に変わる事があるので、治療の第一選択は外科切除です。
治療
今回は頭側と尾側に複数のしこりがあったので、麻酔下による左側乳腺全切除を選択しました。
術後
現在、術後から3ヶ月経過しているが再発も無く順調に生活をしています。乳腺腫瘍は再発することもあるので、今後も経過観察が必要です。