症例Report
『会陰ヘルニア』
:2014. 12. 4
:西川
症例
会陰ヘルニア <ミニチュアダックスフンド 13歳 オス>
稟告
便が出づらい、しぶり
会陰ヘルニアとは
中高齢以降の未去勢の雄犬に多発する疾患である。マルチーズ、パピヨン、ミニチュアダックスフンド、ポメラニアン、コーギーなどの小型犬に多く、原因は男性ホルモンのアンドロゲンが関与しているとされている。外見上、肛門の脇が大きく膨隆しているが手指で押しても痛がることは少なく、脂肪や腸管、膀胱、前立腺などが入り込む。症状は排便がしづらく、いきんでも少量しかでなくなったり、膀胱が入り込むと排尿ができなくなるなどがある。
治療
会陰ヘルニアの治療としては外科手術が最も良い。手術法は様々あるが、今回はポリプロピレンメッシュを用いて整復手術を行った。また同時に結腸固定を行うことでヘルニアの再発予防に努めた。
[結腸固定]
[ポリプロピレンメッシュ装着]
[ポリプロピレンメッシュ装着]
その後
現在術後3か月が経過しているが、排便も良好でヘルニアの再発もなく順調に生活している。会陰ヘルニアは再発することもあるため、今後も経過観察していく必要がある。