症例Report
『喉頭麻痺(タイバック手術)』
:2015. 11. 10
:minami
症例
喉頭麻痺 <フラットコーテッド・レトリーバー 11歳 避妊メス>
興奮時に呼吸が荒くなってゼコゼコするのが、徐々に悪化してきた。
犬種、年齢、進行性の症状などから喉頭麻痺を疑い、全身精査を実施。
全身精査
咽喉頭レントゲン写真
胸部レントゲン写真
血液検査やレントゲン検査、超音波検査などでは異常所見は認められなかった。また、甲状腺ホルモン値も正常範囲内であったため、
麻酔や手術のリスクをオーナー様にご理解頂いた上で、全身麻酔下での喉頭検査および手術の実施に至りました。
喉頭検査および手術
術前喉頭検査
手術写真
手術前に浅い麻酔下にて喉頭の麻痺(呼吸に応じた開口が認められなかった)を確認し、片側披裂軟骨側方化術(タイバック)を実施しました。また、喉頭検査時に軟口蓋過長も認められたため、同時に手術を行いました。
術後の興奮を抑えるため2日間は鎮静剤などが必要でしたが呼吸も落ち着いており、摂食時の誤嚥なども認められないことから無事に退院としました。
手術直後の喉頭検査
経過
それまで、トリミング時も興奮してくると喘鳴音(ゼコゼコいう音)がしていましたが、術後3週間で行ったトリミングでも呼吸はかなり楽そうになっていました。これで、来年の夏は涼しげに過ごしてくれると嬉しいですね。
トリミング時