症例Report
『尿路結石(膀胱結石)』
:2015. 8. 8
:平塚
症例
尿路結石(膀胱結石) <ブリュッセルグリフォン 9歳 メス>
稟告
頻尿及び血尿、数日間の食欲不振
検査結果
レントゲン検査及び超音波検査にて2〜3㎝大の構造物を認め、右腎臓の萎縮及び左腎臓の腎盂、尿管拡張が認められました。また、血液検査では腎数値の上昇が認められ、結石による尿管閉塞に伴う腎臓へのダメージが懸念された事から、早急な手術が必要であると判断されました。
[レントゲン画像]
膀胱内に白い円形の構造物(結石と思われる)が認められます
治療
膀胱切開手術を行い、3㎝大の結石を摘出しました。
[手術所見]
切開した膀胱内に大型の結石が認められます
[手術所見]
縫合後の膀胱
[摘出した結石]
およそ3㎝の大型の結石が摘出されました
尿路結石とは
尿路結石とは、腎臓から膀胱、そして尿管へ至るうちのどこかに結石が生成される事をいい、本症例では膀胱内に結石が認められた事から膀胱結石とも呼ばれます。本症例で摘出された結石はその後の分析の結果、ストルバイトと呼ばれるタイプの結石である事が判明しました。尿路結石は体質だけでなく、食事内容や生活習慣にも密接に関連しており、非常に再発率の高い疾患であるため、治療後も予防的なケアが必要となります。
その後
手術後排尿の異常は改善され、元気に生活しています。なお、術後左腎臓の腎盂拡張は軽減され、腎臓の数値も正常の範囲内まで下降しましたが、残念ながら右の腎臓は既に機能を失っていました。今後は左側の腎臓をケアしつつ再発の防止に努めていく必要があるでしょう。