症例Report
『直腸腫瘤(形質細胞腫)』
:2018. 2. 28
:西川
症例
直腸腫瘤(形質細胞腫) <ゴールデンレトリバー 去勢オス 11歳齢>
稟告
他院にて2年前に直腸に結節が発見され経過観察していたが、徐々に大きくなり、排便時に肛門から逸脱して出血するようになったため来院された。
一般身体検査所見
活動性および食欲は良好であった。肛門から8cm✖3cm✖3cm程度の腫瘤が逸脱していた。
[来院時の肛門周囲]
胸部X線検査、腹部超音波検査、および血液検査
特記事項なし
治療
細胞診を試みたが有意な細胞は採取できず、腫瘍の種類を特定することはできなかったが、排便障害となる可能性や腫瘤の自壊による出血を考慮し、外科的摘出を行うこととした。 直腸を肛門アプローチ法により外面化した後、筋層より粘膜側で腫瘤を切除した。
[切除直後の術創]
その後
術後の術創は良好であり、排便もすぐに見られた。術創の感染を防ぐため、術後は抗生剤の投与を集中的に行い、4日後に退院した。
切除後の腫瘤は病理検査にて、形質細胞腫と診断された。 術後1ヶ月後、および2ヶ月後の検査においては、術創の裂開・感染や再発は見られず、また排便も良好であるため、経過観察としている。