症例Report
『肝臓腫瘍』
:2017. 3. 24
:西川
症例
肝臓腫瘍 <ミニチュアダックスフンド 12歳 避妊メス>
既往歴
一年前に乳癌摘出、10ヶ月前に肺癌摘出を実施。
超音波検査
肝臓内にフリーエコーを主体とする13cm大の腫瘤を認めた。また、左腎に低エコー性腫瘤を認めた。
CT血管造影検査
肝臓の外側左葉に巨大腫瘤を認めた。また、肺野は散在性に腫瘍転移を呈していた。
FNA検査
腎臓腫瘤の細胞診検査では、上皮系の悪性細胞が認められた。
診断
上記の検査結果から乳腺癌の全身転移と診断した。
治療
手術不適応と判断し、抗がん剤にて経過観察していたが、短期間で肝臓腫瘍が急速に増大してきた。これにより、胃を圧排し食欲低下を引き起こしている可能性と肝臓破裂の危険性があったため、生活レベルを上げる目的で肝臓腫瘍摘出に踏み切った。中程度の貧血を呈していたため、術前に輸血を行い、肝臓外側左葉の全切除を実施した。
病理結果
腺癌(転移かどうかは確定できず)。
術後経過
食欲も順調に回復して5日目で退院した。今後は抗がん剤にて経過を追っていく予定であるが、1日でも長く生活できることを願うばかりである。