症例Report
『腸重積』
:2014. 12. 2
:塩見
症例
腸重積 <ジャーマンシェパード 4才 オス>
稟告
元気、食欲消失。嘔吐、血下痢。
超音波検査
胃、腸管の著しい拡張が認められた。
一部腸管で多層構造が認められ、腸管が腸の内腔に陥入した可能性が示唆された。
以上より腸重積の可能性が疑われた。
腸重積とは
腸管の一部分が同じ腸の中に潜りこんでしまい、腸が重なってしまう病気。
腸重積になると腸管の血行が阻害され壊死する可能性や、腸の流れが悪くなり腸閉塞に進行してしまう。腸重積は異常に腸運動が活発になることで引き起こされることがあるが、原因は不明のことが多い。
手術
腸重積に対しては外科的な処置が必要であり、本件でも外科手術を行った。
腹腔内にて腸管が重なってしまった部位を確認し、用手整復により腸の陥入を解除したが、血行障害が起きていた為に一部の腸管を切断した。そして切断した腸管同士を縫合し終了とした。経過を追っていたが、手術2日後に腸重積の再発が認められた。
再度外科手術を実施。腸の重なった部位を確認し用手整復にて解除を行った。今回は血行障害が軽度であった為に腸管は温存した。再発防止の為に腸管同士を糸で結びつけ、腸の潜りこみを防ぐ腸腸固定術を行った。
その後
経過は良好で嘔吐や下痢もなく今までと同様の日常生活を送っている。