症例Report
『ウサギの骨端板骨折』
:2019. 5. 2
:豊島
症例
骨端板骨折 ウサギ 4ヶ月齢 ♀
稟告
来院15分前、すのこに脚を挟んでしまった。
身体検査・X線検査
視診上、左後肢の外反、挙上および跛行を認めた。また挟んだ部位の皮膚の外傷を認めた。X線検査において、左脛骨の成長板に沿った骨折、骨幹端の一部の骨折が認められた(Salter-Harris II型骨折)。

手術・治療
全身麻酔下にて、成長板を整復した後、髄内ピンでクロスピン固定を行った。術後、ロバートジョーンズ包帯で外固定し、入院下で疼痛および感染管理をした。
経過
術後の術創は問題なく、一般状態も良好な為、一週間後に退院とした。退院六週間後、骨折部位のズレは認められなかった為、今後のピンのズレによる歩行障害や感染のリスクを考慮し、抜ピン処置を行った。本例は内側側副靭帯が断裂していたが、現在(術後約一年)は歩行も問題なく後遺症も認められていない。
ウサギの骨は、他の動物に比べて、体重に対する骨の比率が低く骨折しやすい。ウサギにおける後肢の骨折部位は骨幹部が多く、本例の様に成長板にみられるケースは比較的少ないと思われる。
今回のケースのように、ウサギの骨折の発生要因として、落下、挟まれ、踏みつけなど事故によるものが大半である。また、若齢なほど活発であるため、飼育には十分に注意されたい。