症例Report
『モルモットの体表腫瘤』
:2018. 3. 6
:豊島
症例
体表腫瘤 モルモット 4歳8ヶ月齢 ♀
稟告
脇腹の「しこり」に気付いた。
身体検査・細胞診
左脇腹皮膚に径1.6cm大の腫瘤を認めた。腫瘤の細胞診では毛包系腫瘍が疑われた。徐々に腫瘤が増大(径3cm弱)してきたため、手術を実施した。
手術
全身麻酔下にて同腫瘤を切除した。病理組織検査において「外毛根鞘種」と診断された。
モルモットの体表腫瘤
モルモットの体表腫瘤は、しばしば遭遇する症例であり、その中でも本症例でもみられた毛包系腫瘍は最も多く発生する。良性腫瘍ではあるが、腫瘍内部のケラチンに細菌感染が起こるなどして破裂したり、二次的な炎症によって増大することもある。また発生部位(臀部など)によっては皮膚の伸張性に余裕が無く、皮下脂肪も乏しいために術創の閉鎖が非常に困難となることがあるので、早期の外科的切除が望ましい。本症例では、術創の裂開や自咬もみられず、経過は良好であった。